自分が「りぼん」を買っていたのは、街の小さな本屋さんでした。
奥にレジがあって、優しそうな初老の女性が
黙ってにこやかに対応してくれるので、買いやすかったのです。
きっと少女マンガを買いに来る少年として覚えられていたでしょうね…。
確かもう20年以上前にその本屋はなくなっています。
お世話になりました。
あの本屋のカバーがどこかに残っていたはず…と探してみたら、1冊だけ残っていました。
大島弓子さん『綿の国星』2巻です。もはやこの傷んだカバーが宝物…。
しかし、「綿の国星 PART2 ペルシャ」が描かれた頃は、
まだイラン革命前だったのですよね…今読むとそんなことを考えてしまう。
白泉社系で初めて買ったコミックスが『綿の国星』だったと思います。
そのきっかけがどこから来たのか、もはやはっきり覚えていないのですが、
おそらく谷山浩子さん方面からではないかと。
大島弓子さんには、かなり早い時期に出会えていました。
その後、自己投企ブーム(?)のようなものがありまして、
まあ「りぼん」買っている時点で既にアレなのですが、
突然ギターを買ってかき鳴らし始めたり、新聞作ったり、ありがちな展開。
そうすると、バンドに誘われたり、交友関係が広がりまして。
(注:男子校ですので男子ばかりです)
そういう仲間には、少女マンガを含むマンガ読みが結構多く。
自分が『フランス窓便り』のコミックスを持っていると
「君は田渕由美子を読むのか!?」と声をかけてくれる先輩がいたり。
その頃の交友関係からの流入は多岐にわたり、
白泉社系・少女コミック系の少女マンガあれこれ、
青池保子さん「エロイカより愛をこめて」は秋田書店系、
大友克洋さん「気分はもう戦争」、吾妻ひでおさんとか
SFとか奇想天外とか×××とか…もう駄目ですね(^^;)。
ところが、これだけの洗礼を受けながら、まだ三原順さんには出会っていません。
明らかに「はみだしっ子」を読んでいたはずの人たちもいたのに。
その理由は2015年の三原順復活祭でやっとわかった気がしたのですが、
みなさん、三原作品はこっそり読んでいて、人に教えたくないものだったと。
なるほど…。
まあ、自分が男子主人公の少女マンガに手を出さなかったせいですけどね。
そんな訳で、三原作品との出会いは次のステージになります。