これも以前調べたことですが、きっかけは4/27のニュース
「社員被ばく、拠点の免震重要棟で 福島原発 」でした。
この中で、「17・55ミリシーベルトを被ばく。このうち13・6ミリシーベルトが内部被ばくだった」と書かれています。つまり、外部被曝3.95に対して、内部被曝は13.6で、3倍強という数値になるのですが…。
そんなに多いの?
何故こんなに正確な数値が出るのだろう?(内部被曝はわからないと聞いたこともあったので)
それで検索して調べてみていました。
まず測定方法ですが、体外計測法(ホールボディカウンタ)とバイオアッセイ法というのがあるらしい。大雑把には前者は身体から出るガンマ線をみっちり測る方法で、後者は排泄物のアルファ、ベータ、ガンマ線を測る方法です。どんな核種を測りたいかで測定方法はわけないといけませんが、セシウムやヨウ素を想定して測るなら、どちらでもよいでしょう。
おそらく記事の値もこれらにより測定したと思えます。
次に、そんなに多いの?の疑問ですが、
同じ環境にいた作業員の内部被曝でも、その後に発表された件でも、バラツキが大きいようで、状況によって差が大きい、測定してみないとわからない、というのが自分の結論となりました。
外部被曝と同程度の内部被曝を推定するのは1つの目安のようですが、3倍強というケースもあるわけですので、懸念がある場合は出来るだけ測定するべきに思います。
そして補足。
内部被曝が年齢によって異なる(乳幼児ほど影響大)のは自分の中では既知でしたが、運動すると呼吸が増えるので、作業者の吸入摂取は通常(立ったまま程度)より多くなるように計算するようです。
また、1度摂取した放射性物質がどの程度時間経過で減少するかですが、セシウム137公衆(成人)の場合、概ね次のようでした。
吸入摂取⇒約40日で半減
経口摂取⇒約100日で半減
以下、参考リンク。
■内部被ばくモニタリング (09-04-07-05) – ATOMICA –
http://www.rist.or.jp/atomica/data/dat_detail.php?Title_Key=09-04-07-05
「体外計測法およびバイオアッセイ法の特徴の比較」の図はわかりやすい。
http://www.rist.or.jp/atomica/data/pict/09/09040705/01.gif
■緊急被ばく医療研修テキスト・スライド
http://www.remnet.jp/lecture/seminar/
演習問題ですが詳しいのは、「ホールボディカウンタによる体内放射能測定実習」
http://www.remnet.jp/lecture/seminar/H22kisoII02_01.pdf
追記(5/25) 記事へのリンクを失っていたので書かなかったのですが、改めて探したら出てきました。
5/1「東電、女性の被ばく限度超2人に マスクせずに屋内作業」
この記事の中に外部・内部被曝を測定した3人の方の数値があって、比にすると以下の通りです。
外部被曝0.78、内部被曝6.71(8.6倍)
外部被曝0.78、内部被曝2.59(3.3倍)
外部被曝0.61、内部被曝2.81(4.6倍)
特殊に空気中に放射性物質の塵が多い状態ではやっぱりマスク重要だったということでしょうか。ちなみに免震重要棟内の線量って何となく思っていたより少ないですね。(最近ニュースで目にする学校の校庭より少ない)