伯父が亡くなりました。
小さい頃よく遊びに行って、可愛がってもらった伯父です。
自分が子供の時から伯父さんは、片足がなく義足でした。三十歳の時にバイクで事故に巻き込まれ無くしたのだそうです。
けれど、伯父さんも、そして伯母さんも、そのことで辛そうなそぶりを見せたことが全くありませんでした。伯母さんは毎日、車で伯父さんを会社に送り迎えして伯父さんを支えていましたが、すべてが当たり前の日常でした。いつも豪快で人を笑わせる楽しいお話をしてくれる伯父さんでした。たぶんだから、幼い自分はそんな伯父さんを可哀想とか見ちゃいけないとか感じたことは全くありませんでした。ただ普通に、楽しい伯父さんと思っていました。
それがとても凄いことだと感じるようになったのは、自分がもっとずっと大きくなってからです。
伯父さんが育った実家は山の中の古い家で、小学生の自分はその家で夏休みを過ごした。
七輪でとうもろこしを焼いて食べた。
初めて天の川を見た。
セミやカブトムシを探して森に入り、スイカ畑で遊んだ。
地元の高校が甲子園で優勝し、大はしゃぎをした。
自分が中学生になっても、伯父さんは毎週週末になると空き家となったその実家に一人で泊まりに行っていた。そんな頑固さも伯父さんらしくて好きだった。伯父さんの新しい家でテレビで映画を見た。伯父さんは意外に涙もろく目を拭っていた。
一緒に過ごした時間は短いけれど、みんな覚えている。
伯父さん、しょうもないガキだった自分を可愛がってくれて本当にありがとう。
ゆっくりとお休みください。