ハウルの動く城

録画しておいた『ハウルの動く城』を見ました。
2004年末に劇場に見に行って以来ですね。

当時の日記でも書いていますが、今ひとつ評判が…というのも何となくわかりつつ、
たての的には結構好きです。
当時はネタバレ的なところもあり詳しく書かなかったですが、敢えて今更ながら書いてみましょう。

ちょうど2004年にドイツ→オーストリア→イタリアと縦断旅行していて、
その風景を思い出すような映像が楽しかったのはもちろん。
話が難解なのは自分の場合あまり抵抗はなくて、
いろいろ想像しながら、普通に見ていました。

作品にぐっと引き込まれたのは終盤近く、
ハウルがソフィーたちを置いて戦場に戻るシーンです。

ソフィー「逃げましょう、戦っては駄目」
ハウル「何故?僕はもう充分逃げた」


このセリフを聞いて、「あっ」と声を上げそうになりました。

ハウルの城は、何故動く城でなければならなかったのか?
逃げるためだ。
ハウルの城の扉は、何故あちこちの国に通じているのか?
逃げるためだ。
魔法学校の優秀な学生だった彼は、その力を戦争に使うことを嫌い、
徴兵拒否して逃げ回っていたのだ。
しかし、彼には守りたいものが出来てしまった。
ソフィーと、ソフィーの故郷だ。
誰の味方にもならなかった彼は、ソフィーの故郷を守るために、
一人でどちらの軍勢とも戦うことになってしまった。
その力が自らを滅ぼすことを知りながら。

燃えてしまった家は建て直せばいい。
壊れてしまった橋はかけ直せばいい。
そんなことより、あなたに生きていて欲しい。


そんな思いがこみ上げて、ソフィーにすっぽり移入してしまう。
映画館の中で声を上げそうになるのを我慢するくらいに。

その後はもう、ソフィーがハウルを助けて
キスして終わるので、自分は殆ど満足だったのです(^^;)。
少々話がとっちらかっていようと御都合主義っぽい終わり方をしようと、
さして気にならず。

宮崎アニメでこんなに感情揺さぶられたのってナウシカ以来だし、
とにかく自分の感情を揺さぶってくれるものは好きなのです。

こんな初期衝動みたいな作品が作れるなんて、
宮崎駿さんてまだまだ行けるんじゃないかとか
映画館からの帰り道でブツブツ喋っていたのを覚えています。
(宮崎駿さん、その頃からこれで最後って言ってましたよね…)

ちなみにその後、ダイアナ・ウィン・ジョーンズさんの原作
『魔法使いハウルと火の悪魔』と、続編『アブダラと空飛ぶ絨毯』を読みましたが、
なるほど、原作とは色々違って、でも、自分は宮崎駿さんアレンジが好きかもなぁ。
先にアニメを見て印象が強かったからだけかも知れないですけれど。

タイトルとURLをコピーしました