2004年、有楽町の映画館に「誰も知らない」という映画を観に行った。
タテタカコの音楽に初めて触れたのはその時だった。
タテタカコのライブがあるから行ってみよう、
と、相方と下北沢のガレージに足を運んだのは寒い冬だった気がする。
とあるバンドのゲストで、タテタカコさんの客は少なかった。
ただ、そこで聞いた生のタテタカコは妙に引っかかるアーティストだった。
CDも買い、数少ない東京のライブに何度か足を運んだ。
モナレコードという下北沢の小さな店のこともあった。
渋谷クワトロにも行った。Eastern Youthのゲストだった。
この頃から、妙に叙情派パンク系(?)の人たちとの交流があった。
初めてワンマンで見たのは2006年3月の品川教会だった。
音響が良くて素敵なライブだったが、客席は半分くらい空いていた。
その時にもらったチラシを見てびっくりした。
名古屋で遠藤ミチロウのライブにゲストで出るらしい。
行く気になって、チケットもホテルも手配していた。
直前に体調を崩し、行けなかった。
2007年、タテタカコは少しブレイクした。
また映画に歌が使われた。
Panasonicの企業イメージCMに歌が使われた。
TBSの情熱大陸で取り上げられた。
2007年の品川教会は、今度は満席だった。
タテタカコの歌声は綺麗だ。
しかし、時折妙にパンクを感じる。
音楽に集中するためにと髪を丸坊主に剃ったその姿は、
巷のファッションパンクと一線を画す。
年末、今度は東京でタテタカコと遠藤ミチロウが出るらしい。
とうとう、この妙に気になる取り合わせのライブに足を運んだ。
どちらから出てくるのかも知らなかったけれど、
照明が落ちてドアーズの「The End」が流れてきたので、
先にミチロウさんが出るんだとわかった。
ギター一本のミチロウを観るのは初めてだったけど、好きだった。
なんとなく、三上寛を思い出した。
タテタカコは語っていた。
友だちに誘われて初めてミチロウさんのライブを見た後は、ショックで1週間くらい体調を崩した。
2度目もまた1週間くらい体調を崩した。
心を動かされているのだから、それは感動なのではと友だちに言われ、そうだと思った。
当時自分は綺麗な歌しか作れなくなっていた。
けれど、音楽はもっと自由なんだと気づいた。
…と。
最後の最後、タテタカコのアンコール2曲目でミチロウが出てきた。
せっかくなので共演するとのこと。
それだけで興奮、そしてそっと歌いだしたミチロウに更に嬉しくなった。
「カノン」だった。
宝島カセットブック『ベトナム伝説』の曲で、何度も聴いた曲だ。
ああもう嫌だと 思うことだけが まだこうして居れる力なのです
だからボクを「アイシテル」と言うのなら
このビンを手にとって
あの硬いコンクリートの壁にたたきつけて下さい
素敵なライブだった。
ありがとう。
PS.
またちょっと旅に出ます。
旅先から更新できたらします。