例えばある国の要人の公邸を定期的に写した衛星写真があったとして。 普通の人は「ふーん、よく映ってるね」としか思わない同じ写真を見て、 諜報の専門家は要人の健康状態に異変が起きたことなどを察知します。
例えば誰かのレントゲン写真があったとして。 骨がぽっきりと折れていれば、普通の人でも 「骨が折れていますね」くらいはわかるでしょう。 しかし医師は、普通の人が「ふーん、よく映ってるね」としか 思わない同じ写真を見て、病気の初期徴候などを察知します。
「収集された生の情報はインフォメーションで、 それを解析した情報がインテリジェンス」…のように説明されることも 多いですが、立野の中では(そういった説明を聞いたずいぶん昔の時点で) 中村雄二郎氏の書いていた「知識と知恵」の話と関連させて租借していて、 インテリジェンスは情報の解析能力としての知恵というニュアンスが強いです。
24時間稼動しなければならないシステムで異常が起きていて、 そのログから原因を解析しなければならないとして、 同じログを見ていても得ている情報量が殆どない人がいたり。 インテリジェンスという言葉は知っていても、 経営分析をするための数値資料を見ても殆ど情報を得ていない人がいたり。
ふと、「収集された生の情報はインフォメーションで、 それを解析した情報がインテリジェンス」…という説明を知っている だけでは、その知識はそのままでは単なるインフォメーションなのだよな…と 思ったりしている今日この頃だったりします。