昔、二十歳過ぎの頃、パソコンのシミュレーションゲームを よくやっていた時期がありました。 三国志とか、あの辺のヤツです。まあまあはまっていました。
ある日、友人たちと久しぶりにカードゲームをやっていた時、 結構ひどい戦略を何気なくやっている自分に気づきました。 麻雀などなら、やっている人の覚悟(?)が違うから別なのでしょうが、 普通のカードゲームは少々違う感じです。 同じ人に何回も攻め込んだりすれば、 悪気なくて、たまたまそうするのがベストであったからやったのだとしても、 しこりを残しかねません。
機械相手なら何をやっても気にしなくてよくても、 人間相手ならそういうことも考えるべきなんだ。
気をつけなければ、と思いました。
最近、マスコミがネットの世界のことを「ヴァーチャル」と言うのを 耳にしました。それを聞いて、そんなことを思い出しました。
人生ゲームなら、負けてもゲーム上の損失で済みます。 しかし、ネットのヴァーチャルモールで買い物をしても、 支払われるのは現実のマネーです。
恋愛シミュレーションゲームの世界のことなら、 確かに全てはヴァーチャルです。 しかし、出会い系サイトにしろ他にしろ、とにかく そこで相手にしているのは人間です。 恋愛シミュレーションゲームでならどんなことでも出来るでしょう。 誰かになりきってゲームを楽しんでも、誰にも迷惑はかけないでしょう。
しかし、ゲームでなく、ネットの世界で、性別を偽ったり、年齢を偽ったり、 本気に見せかけたり、他人の心を傷つけるようなことを平気ですれば、 血を見るような事態に陥っても不思議でありません。
確かにネットには仮想的な空間という側面もありますが、 こういった話をする限りは、ネットをヴァーチャルだと勘違いしてしまう 問題の方がずっと大きいはずです。 それを忘れて、「ネットはヴァーチャルだから」 という言い訳を提供しつづけるマスコミは、考えが足りなすぎると思います。
ネットはヴァーチャルなんかじゃない。